會津正之
昭和12年12月生。会社員。著書:「秘の鎮魂歌――万葉集は何故編まれたか」伊村正之名著(八重岳書房)



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直言曲成


直言曲成#5(01/05/27)

 「完全なリサイクル社会」について――以下は、あくまでも私の「夢想」である。
 このことを承知のうえで、この観念の構造や成り立ちうる条件を追ってみたい。
 先ず、「地球人口100億」といった状況を前提とする。

 産業革命以前の人口が少ない状況では、人間の活動に伴う排泄物・廃棄物は、自然の「自浄作用」に委ねていればよかった。「人口100億」という状況では、人類の「廃棄物」の最終処分法を「燃焼」・「埋め立て」・「海中投棄」とする限り、何れ「自然の自浄作用」を越える時期が来ると思われる。
 現在の、自治体・企業・諸団体・志のある個人の試みが「充分に意義がある」ことは言うまでもないが、その総和が「人口増+産業規模の拡大<地球の自浄作用」内に、私たちを留め得るだろうか?微妙なところである。
 その歪みが誰の目にも明らかになる前に、どういう方向に私たちの「意思」を向けるべきか。
 
 「ゼロ・エミッション」という言葉がある。この理念(当然技術とセットである)を、「工場」から「地域」ついには「地球」規模に広げた場合、次ぎのような「意思」が生まれるにちがいない、と私は思う。――「文明という人為の営みを自然環境から切り離す」

 認識とそれに伴う技術がこの段階に達したとして、私が「夢想」する文明は――、
 
 「空間」からエネルギーを取り出し、そのエネルギーから「物質」を造り、使用済みの「物質」を、同じ流れを通って「空間」に戻して行く……。そのサイクルが「自然」に負荷をかけないよう予め設計してある……、というものである。

 空間に充満しているエネルギーを取り出すべく、日夜苦闘している研究者の数は、決して多いとは言えない。が、「可能性」は少しずつ見えてきているようである。
 こういう方向に注がれているエネルギーがもう少し増える状況にならないだろうか。

 二十年以上前に読んだ本(どんな本か忘れてしまった)のなかに、こんな観察を報告していた人がいる。
 高架の下にある喫茶店でのことだが、周囲の客が交わし合う話題の流れが、電車が通過する毎に変わる、というものである。その人の結論は、磁場の変化が思考の流れに影響を及ぼすというものであった。
 これを敷衍すると、ポールシフトかそれに近い現象が起きて始めて、文明の流れが変わるのかもしれない。これは「激突」しての方向転換であろう。余り体験したくないが…。

 一方、ソフトランディングというべき道がある。それは内的なものから文化・道徳・教育に及び、ついには経済あるいは技術の方向や在り方に影響を及ぼす道である。
 「道徳の結果はついに経済に現わる」と内村鑑三が言う、その「方向」である。
 確かに、経済や技術の発展はそれ自身決して人間を高めるものではない。
 
 そして、耳傾ければ、この「ソフトランディング」の分野で悪戦苦闘している人々も数多い。願わくばその方々の力が増しますように。


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